『田園の詩』NO.95「狩り名人の猫3匹」(0999.3.23)



 わが家には知人から貰って5年目になるハスキー犬が1匹と、野良猫が産み落として
3年目になる猫が3匹います。

 犬も長年飼っていると、鳴き声を聞いただけで何をいっているのかが大体分かります。
遠吠え気味に鳴いた場合は、お客さんが車を降りて坂道を上がって来る時です。インター
ホンが鳴る前に、私は汚れた仕事着を脱ぎ捨てて、さっぱりした作務衣姿になることができ
ます。

 けたたましく騒がしく鳴いた場合は、猫が何か獲物をくわえてきた時です。私は仕事の手を
置いてすぐに外に飛び出します。女房も台所から飛び出て来ます。案の定、猫が鳥をくわえて
います。二人で猫を取り押さえて、鳥を助けてやります。


       
     現在は、≪野良犬≫から昇格して≪家犬≫になった2匹の犬、ビーとルー、
      そして猫が5匹います。この犬たち、先代のハスキー(ハル)と違い、優しすぎて
      ちっとも吠えません。  番犬失格です。(ハルも優しかったですが…) 
                 (09.7.28写)



 最近、猫が狩りをしなくなった、ということが話題になっていますが、わが家の猫たちは
狩りの名人揃いです。夏にはカエルやトカゲ、秋にはモグラやネズミ、そして冬から春に
かけては鳥が中心です。

 特にこの時期、山には餌が少ないので、野鳥が家の近くまで寄って来るのでしょう。雪が
積もった日などは、3匹が次々に獲物を持って来るので、それはもう大変でした。

 猫の犠牲になった鳥は、ジョウビタキ、ヒヨドリ、ツグミ、マヒワ、メジロ、ウグイスなど
です。私は、年中、家の近くに沢山いるスズメがこの中にいないのに気が付きました。
「どうしてかなー」と女房に尋ねたら、「学習しているからでしょう」との答えが返って来ま
した。

 なるほど、スズメ以外は冬に渡来してきた鳥か、普段は山の中にいる鳥でした。「一理
あるな」と女房の答えに感心しました。

 ところで、春といえば≪猫の恋≫の季節ですが、当家の猫たちはそれができない体に
なっています。人間の勝手な都合を押し付けて申し訳ないことだと心が痛みますが、その
分、鳥には可哀想ですが、猫の性分としての狩りは充分楽しんでほしいと思います。

 鳥も、早く学習して猫から逃れる術を心得てほしいものです。ただ、本格的な春になれば、
猫のいる家に近づかなくて済みます。もうすぐです。    (住職・筆工)

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